ROSEBANK ローズバンク 31年 高価買取致しました!

ローズバンク蒸留所とは

ローズバンク蒸留所は、スコットランドの低地地域に位置する歴史あるシングルモルト・スコッチウイスキーの生産地として知られています。具体的には、フォークカークのカメロン地区、フォース・アンド・クライド運河(Forth and Clyde Canal)の河畔に建つこの蒸留所は、エディンバラとグラスゴーの間にあり、交通の要衝として古くから栄えました。運河の東岸に位置し、周囲を水路と緑豊かな景観に囲まれた立地は、蒸留所のロマンチックなイメージを象徴しています。設立以来、低地ウイスキーの代表格として「低地の王(King of the Lowlands)」と称され、その軽やかで繊細な味わいが世界中の愛好家を魅了してきました。1993年に閉鎖された後、30年近くの眠りから2023年に生産を再開し、2024年6月7日に一般公開されたこの蒸留所は、伝統と革新の融合を体現する存在です。

歴史の幕開け:19世紀の創業と発展

ローズバンク蒸留所の歴史は、19世紀初頭のフォークカーク地域の蒸留文化に遡ります。記録によると、1798年頃にスター兄弟がラウリエストンで蒸留所を運営していましたが、1817年にジェームズ・ロバートソンが近くにローズバンク蒸留所を開設したのが最初の言及です。しかし、この初期のものは1819年に閉鎖され、現在の蒸留所の基盤となったのは1840年です。この年、地元のワイン商人ジェームズ・ランキンが、運河西岸のカメロン蒸留所の麦芽製造施設を買収し、東岸に新しいローズバンク蒸留所を建設しました。ランキン家は代々この事業を継承し、1845年に拡張、1864年に再建を施すなど、着実に成長を遂げました。

1861年、カメロン蒸留所が破産した際、ランキンは西岸の施設を吸収し、麦芽をスウィングブリッジ(回転橋)で東岸の蒸留設備へ運ぶ独自のシステムを確立しました。この橋は蒸留所の象徴的なランドマークで、運河を跨ぐ姿が絵葉書のような風情を醸し出しています。1886年までに蒸留所は運河の両岸に広がり、倉庫の貯蔵容量は50万ガロン(約227,000リットル)に達していました。ランキン家は創業からわずか40年で、ウイスキーを世界中に輸出するまでに発展。1894年にローズバンク蒸留所有限公司(Rosebank Distillery Ltd)が設立され、以降は産業集団化の波に乗り始めます。

1914年、ローズバンクはスコティッシュ・モルト・ディスティラーズ(Scottish Malt Distillers)に合併。この組織は1925年にディスティラーズ・カンパニー(The Distillers Company, DCL)の一部となり、後のディアジオの基盤を形成しました。DCLの傘下でローズバンクは安定した生産を続け、低地ウイスキーの洗練されたスタイルを確立。ウィスキー評論家マイケル・ジャクソンは、これを「低地モルトの最高峰」と評し、ジム・マレーは「優れた低地産」としてスコットランド全モルトのトップ5にランクインさせました。当時のローズバンクは、軽快で花のようなアロマとバランスの取れた味わいで、ハイランドの重厚なウイスキーとは対照的な魅力を放っていました。

閉鎖の影:環境基準と時代の変遷

ローズバンクの黄金時代は、20世紀後半まで続きましたが、1993年に突然の閉鎖を迎えます。原因は欧州連合の厳格な排水処理基準への対応で、設備の大規模改修が必要となったためです。当時の経営判断では商業的に見送られ、蒸留所は「モスボール(mothballed)」状態、つまり一時休止となりました。しかし、予定外の長期休眠が続き、30年近くの沈黙の時代が訪れます。この間、蒸留所は運河の畔で朽ちゆく歴史的建造物を守る「生きた博物館」のような存在となりました。赤レンガの壁、煙突、運河脇のロックキーパー小屋(lockkeeper’s cottage)など、ヴィクトリア朝様式の建築がそのまま残り、ウイスキー遺産の象徴として注目を集めました。

2002年、DCL(当時ディアジオ)は蒸留所を英国水路公社(British Waterways、現Scottish Canals)に売却。西岸の倉庫は1988年に売却され、一部がビーフイーター・パブ・アンド・グリルに転用されました。2008-2009年の年末には、金属泥棒によりオリジナル・スチル(蒸留器)や設備が盗難に遭い、復元への障害となりました。また、同年、フォークカーク近郊でオリジナル設備を使った新蒸留所の計画が浮上しましたが、ディアジオの商標権行使により断念。代わりに、ディアジオは在庫の古酒を限定リリースし、ファンの間で「失われた宝石」として語り継がれました。この閉鎖期は、低地ウイスキー全体の衰退を象徴し、ハイランド中心の市場シフトを反映していました。

復活の炎:2017年の買収と再生プロジェクト

ローズバンクの運命を変えたのは、2017年10月の出来事です。ファミリー経営のイアン・マクロード・ディスティラーズ(Ian Macleod Distillers Ltd)が、ディアジオから商標権を、Scottish Canalsから敷地を買い取り、再建を宣言しました。この企業はグランモア(Glengoyne)蒸留所などを手がけるウイスキー専門家で、伝統回帰を掲げました。復元プロジェクトは4年に及び、歴史的建造物の保存を優先。煙突や小屋を修復しつつ、現代の生産設備を導入。2023年6月5日、ほぼ30年ぶりに新蒸留液(new make spirit)の生産が再開され、樽No.001が熟成を開始しました。

2024年6月7日の一般公開は、蒸留所の「再生」を象徴するイベントとなりました。訪問者センター、テイスティングルーム、ツアー施設が整い、オープン1週間でVisitScotlandから5つ星評価を獲得。2024年のHerald Property Awardsで「最優秀再生プロジェクト」に選ばれ、2025年5月のRoyal Incorporation of Architects in Scotland(RIAS)賞では建築保存の功績を称えられました。裁判員は「記憶と場所への敬意」を評価し、スコットランドの産業遺産復活のモデルケースと位置づけています。このプロジェクトは、単なる商業再開ではなく、文化遺産の守護として位置づけられています。

生産プロセス:トリプル蒸留とワームタブの伝統

ローズバンクのウイスキーは、低地スタイルの粋を集めたものです。生産能力は年間約559,000リットルで、水源はキャロン・バレー貯水池(Carron Valley Reservoir)の清らかな軟水を使用。モルトは主にノンピート麦芽で、軽やかな風味を基調とします。特徴的なのはトリプル蒸留(三重蒸留)で、2つのウォッシュスチルと1つのスピリットスチル(spirit still)ポットスチルを使用。蒸留後、伝統的なワームタブで冷却します。これは銅製のコイルを冷水に浸す古式で、ヘビーな銅接触により硫黄分を加え、複雑な味わいを生み出します。現代のシェル・アンド・チューブ・コンデンサーとは異なり、この方法は低地ウイスキーの繊細さを強調します。

熟成は主にアメリカンオークのバーボン樽とヨーロッパンオークのシェリー樽を使い、ダンジャーマス倉庫で自然換気を活かしたスローテイスティング。運河の湿気と穏やかな気候が、ウイスキーに柔らかな草や花のニュアンスを加えます。歴史的に、麦芽製造は西岸、蒸留は東岸で行われ、スウィングブリッジで原料を運ぶ光景が復元されています。新作のローズバンクは、オリジナルに忠実で、フローラルでフルーティーなプロファイルを目指します。1990年代の古酒リリース(例:21年物)は、アプリコットやハニー、グリーンアップルの香りと、クリーミーな口当たりで知られ、新生ローズバンクもこの遺産を継承します。

味わいの世界:軽やかさと深みのハーモニー

ローズバンクのウイスキーは、低地産の典型として「軽快でエレガント」と評されます。ノーズ(香り)はレモンやアップル、フローラルな花畑を思わせ、グラッシーな緑のニュアンスが爽やか。パレット(味わい)では、シトラスやトロピカルフルーツの甘みが広がり、オークのスパイスが優しく寄り添います。フィニッシュ(余韻)はドライでミネラル感があり、全体としてバランスの取れた洗練された印象を与えます。ジャクソンが「低地の最高例」としたように、ハイランドの力強さとは対照的に、食事との相性が抜群で、アペリティフ(食前酒)向きです。復活後の新蒸留液は、伝統を尊重しつつ、現代の精密制御で一貫性を高めています。コレクターアイテムの古酒(例:1990年蒸留の21年物)は、果実味豊かで花のようなエレガンスを湛え、ウイスキー史の宝です。

ローズバンク・ヴィジターセンター

ローズバンクの訪問者センターは、蒸留所の魂を体感する場です。ツアーでは、歴史的スウィングブリッジを渡り、ワームタブの冷却プロセスを間近で観察。テイスティングルームでは、熟成中のサンプルを嗅ぎ、蒸留の神秘に触れられます。建築の魅力も格別で、赤レンガの壁と運河の眺めが、タイムスリップのような没入感を提供。アクセシビリティを考慮した設計で、車椅子対応ルートや多言語ガイドが用意されています。周辺のフォークカーク運河遺産地帯と連動し、ウイスキートレイルのハイライトに。復活は、地元経済と観光を活性化し、スコットランドの蒸留文化を次代へ繋ぐ役割を果たしています。

まとめ

ローズバンク蒸留所は、閉鎖の試練を越え、伝統の炎を再び灯しました。1840年の創業からトリプル蒸留の独自性、30年の眠り、そして2024年の華々しい復活まで、その軌跡はスコッチウイスキーの多様性を物語ります。低地の王として、軽やかで詩的なウイスキーを生み続けるこの場所は、過去と未来の架け橋。訪れる者に、運河のさざ波と麦芽の香りを届け、ウイスキーの本質を静かに語りかけます。ローズバンクは、単なる蒸留所ではなく、スコットランドの魂の結晶です!

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