日本はまさにウイスキー戦国時代！
サントリーの山崎蒸留所、白州蒸留所。
ニッカの余市蒸留所、宮城峡蒸留所。
長い歴史と高い評価を得てきたジャパニーズウイスキーですが、ジャパニーズウイスキーの高い評価を得て新たな蒸留所が多く登場しています。
北は北海道、南は鹿児島。
日本の各地で新たなウイスキーが生産され、さまざまなニュースがウイスキー業界を盛り上げています。
小規模ながらもクラフトマンシップあふれるクラフトウイスキーブーム。
ファーストリリースからまだ間もない新興蒸留所をピックアップします！
前回は北海道「厚岸蒸留所」と静岡「ガイアフロー」の二つをフィーチャー！
その記事はこちらからごらんください。
鹿児島「嘉之助蒸留所」
さて今回は鹿児島「嘉之助蒸留所」
「Mellow Land,Mellow Whisky ジャパニーズウイスキーをさらに豊かに、まろやかに。」
を掲げる鹿児島県・嘉之助蒸留所
鹿児島県の西岸、吹上浜沿いの9000㎡の敷地にある蒸留所です。
2017年に始動とあって新進気鋭のディスティラリーです。
嘉之助蒸留所の穏かな潮風を体現する
上品なウイスキーに仕上がっています🥃
特筆すべきは小規模蒸留所では珍しく
3機のポットスチル（銅製蒸留器）で蒸留されていること。
それによって原酒の香りを繊細にコントロールすることが可能になりました。
嘉之助蒸留所の母体は焼酎蔵として有名な
小正醸造です。
1883年の創業以来、質の高く、そしてオリジナリティーあふれる商品展開をしてきました。
なかでも「メローコヅル」は小正醸造の1つの顔となっています。
今でこそ樽で寝かせた焼酎は珍しくありませんが、メローコヅル発売の昭和32年（1957年）においては、とてもユニークなものでした。
熟成焼酎の先駆けともいえる「メローコヅル」は現在でも多くのファンに愛されています。
「嘉之助」の名は、メローコヅルを手掛けた2代目・小正嘉之助の名前からとられています。
嘉之助蒸留所は薩摩半島の西海岸に位置しています。
蒸留所のある吹上浜は南北47㎞に及ぶ砂浜があり、日本三大砂丘の1つとして知られています。
普段は穏やかな海ですが、大陸からの強い北西風が吹きつける冬の日は険しい海になりまた表情を変えます。
九州南部の暖かい気候でありながらも冬には0℃付近まで冷え込むことがあり、その寒暖差を貯蔵に影響します。
温暖な気候の中でのウイスキー造りは簡単ではないですが、徹底した温度管理により質の高いウイスキー、そして他にはない個性を有するものになります。
嘉之助ラインナップ
2021年には「シングルモルト KANOSUKE 2021年 ファーストエディション」が発売されています。
2017年から2018年の原酒を用いた蒸留所初のシングルモルトウイスキーです。
こちらは先述した樽熟成米焼酎「メローコヅル」で使用したアメリカンオークで熟成した原酒を核にして、複数の樽からヴァッテイングしています。
鹿児島薩摩半島に沈む夕日を連想させれ色合いも美しく、メロウなウイスキーに仕上がっています。
砂浜をモチーフとした外箱も素敵ですね。
2021年秋には「シングルモルト KANOSUKE 2021年 セカンドエディション」が発売されました。
ノンピート麦芽を使用した原酒をキーとして複数の樽からヴァッティングされています。
2022年6月には第3弾「シングルモルト嘉之助2022 リミテッドエディション」が発売されます。
シェリー樽を使用した原酒を多く使っているようなので、これまでとはまた違う嘉之助の表情をみることができそうですね。
公開されたテイスティングノートでは
香り：レモンティー・はちみつ・梅・ニッキ
味：ベリーのドライフルーツ・コーヒーキャンディー・古木のウッディネス
余韻：スパイシーでビターな甘さが心地よく続く
となっています。ラベルは深いオレンジ。
鹿児島の地に沈みゆく深い夕日を模した色でしょうか。
パッケージデザインからウイスキーの味まで、細部まで「Mellow」を感じる蒸留所です。
まだ稼働から4年足らずの蒸留所ですが、味わいは年数以上の熟成感を帯びています。
このウイスキーがこれから5年後6年後にどのように変化していくのか非常に楽しみです。
九州の土地で本格的なクラフトウイスキー。応援しない理由がありません！
まとめ
ジャパニーズウイスキーブームによって新興蒸留所のウイスキーの人気も白熱しています。
これらの蒸留所はまだ浅く、高い評価を得ているものの、まだ若いウイスキーであることは確かです。
「10年」を名乗れるタイミングにボトリングされるウイスキーがどのように変化熟成しているのかは楽しみです。
今飲めるものはまだ若いものですが、都度ボトリングされているWork In Progressなウイスキーを飲み、
成長を共に見届けるのは素敵な飲み方だと思いませんか？
3年に満たないニューポットであっても、即完売、高値取引されることも珍しくありません。
白熱するジャパニーズウイスキー。
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