オーパス・ワン(Opus One)のアイデアは1970年代、当時アメリカを旅していたシャトー・ムートン・ロスチャイルドの当主・フィリップ男爵と、アメリカのイタリア系移民の家に生まれたロバート・モンダヴィが出会った時に生まれました。生まれも育ちもまったく違う二人は、出会ってすぐに芸術やワインに対して熱く語り合うほどに意気投合したといいます。しかし、アイデアは生まれたもののオーパス・ワンという商品が生まれたのはそれから8年後のことでした。
1級シャトーを所有するフィリップ男爵は、ロバート・モンダヴィをディナーに招待するためにフランスに招きます。モンダヴィはこのディナー中に「オーパスワン作りの話が出るに違いない」と期待していましたが、一言も話題に上がらず意気消沈していました。しかしディナーの終わりに「翌日朝8時に寝室に来るように」と言われ、そこでワイン造りの話がなされます。そして、ようやく製造がスタートしたのです。
オーパスワンのコンセプトは「カリフォルニアの気候と豊かな土壌を生かしつつ、ボルドーの伝統的な生産方法を尊重し最高のワインをつくる」ことでした。誕生から40年もの間、高いパフォーマンスを維持し続けています。その味の決め手となるのが醸造の中心人物であるマイケル・シラーチです。シラーチは従来の生産方法を大切にしながら1979年から現在に至るまで、すべてのオーパス・ワンを味見しています。そんな徹底したこだわりが長い間高品質を保ってきた理由だといえるでしょう。ワイン愛好家の中ではかなり需要が高く、高値での買取が期待できます。