前回に引き続きイタリアワインの特集です!

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イタリアワイン①その魅力は多様性!【ブログDEゴザル】

今回は産地と品種という目線からイタリアワインを読み解いていきましょう!

前回の記事でも取り上げたとおり、イタリアの国土は南北に長く伸びておりその地域によってさまざまな個性をもっています。
その多様性こそがイタリアワインの魅力ともいえるでしょう。

イタリア北部

イタリア北部はアルプスに面するピエモンテ州が主要な産地になっています。
ピエモンテ州では赤ワインが中心に作られており、DOC以上の格付けワインが最も多いのはピエモンテ州です。

バローロ(ピエモンテ州)


イタリアワインの王ともよばれるバローロ。
バローロはイタリア統一前にピエモンテを支配していた貴族の御用達のワインであり、ピエモンテ貴族がイタリア初代国王がになったことから「王のワイン」とも言われているようです。
テロワールを敏感に反映させる特性はブルゴーニュと通じるものがあります。
品種はネッビオーロというブドウのみが認められています。
ネッビオーロは「霧」を意味しており、霧の多い時季に収穫されることから由来していると言われています。
発芽は早い品種ながら、収穫時期は遅いため天候による影響を受けやすく扱いの難しい品種です。
しかしながらその豊かな酸とタンニンはバローロの特徴である骨格の強い濃厚な味わいを生み出しています。

バルバレスコ(ピエモンテ州)

イタリアワインの女王、バルバレスコ。
バローロよりさらにエレガンスでありフルーティーな味わいがバルバレスコのスタイルでもあります。
バローロと同様にネッビオーロ100%ですが、気候や土壌の違いによってやわらかく親しみやすい味わいのものが多い傾向にあります。

アマローネ(ヴェネト州)


ヴェネト州のヴェローナ地区で少量生産される貴重な「アマローネ」
アマローネを製造する際には陰干し(アパッシメント)をしたブドウが使用されます。
そのため水分は蒸発し、使用できるブドウ果汁の量は極端に減少します。このような希少さからかつては王族貴族しか口にすることが出来なかったと言われています。
「アマローネ」が「苦み」を意味するとおり、重厚な香り深いボディにビターチョコレートのような苦みがアマローネの稀有な特徴です。

またアマローネにはリパッソ 〈RIPASSO〉という製法を採るものもあります。
これは通常のアマローネを作る際に使用したぶどうの搾りかすにフレッシュワインを注ぎ入れ醗酵させたものです。
リパッソとは再びアルコールの醗酵を促すことを示しています。
これによりアマローネの香りや味わいが、安価に楽しめ近年において人気が高まっています。

イタリア中部

イタリアワインを代表するキャンティ、また高級イタリアワインとして有名なサッシカイアを有するイタリア中部。
伝統的なワイナリーから「スーパータスカン」と呼ばれる先鋭的なワイナリ―など幅広いカラーを見せています。

キャンティ/キャンティ・クラシッコ(トスカーナ州)

イタリアワインの顔ともいえるキャンティ。
トスカーナ州のシエナを中心とする広域で製造されています。品種はサンジョヴェーゼを主体とした明るい性格で世界的な人気を博しています。

その人気は世界的に広がり、一時はキャンティという名が付いていれば売れるという時代もあったほどです。しかしその弊害もありました。
品質の低いキャンティも多く出回り、伝統的で高品質なキャンティのブランドの価値が損なわれる危険性もありました。
生産者は結託して従来のキャンティDOCGから独立して1996年「キャンティ・クラシコDOCG」が誕生しています。

現在はデイリーなものから高品質なものまでさまざまなキャンティですが、昔ながらのものを味わいたいのであれば「キャンティ・クラシコ」を選ぶのが最適解かもしれません。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(トスカーナ州)


バローロやバルバレスコと並ぶ高級ワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」
トスカーナ州・モンタルチーノ地区で製造されます。
使用品種はサンジョヴェーゼ・グロッソ。トスカーナのワインで多く使用されるサンジョヴェーゼの変異種になります。通常のサンジョヴェーゼより大粒で長期熟成に適した品種とされています。
このサンジョヴェーゼ・グロッソのことをモンタルチーノでは「ブルネッロ」と読んでおり、それが名称になっています。
もちろん使用するのはサンジョベーゼ・グロッソ(=ブルネッロ)100%。
熟成が最低50ヵ月と規定されており他の多くのDOCG規定よりも長く設定されています。これにはやはりブルネッロ・ディ・モンタルチーノが長期熟成によってその魅力が深まることを物語っています。
かつては「標高250~600mのブドウ畑で栽培すること」という条件がありましたが、この規定は2015年以降廃止されました。それにより多くの生産者が参入しましたが、一方でモンタルチーノの環境保全のためブドウ畑の面積が制限されるようになりました。
そのため希少価値も高まっていくと思われます。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノより制限が緩いロッソ・ディ・モンタルチーノはブルネッロと比較して安価なため入門編として適しています。

イタリア南部

アドリア海とティレニア海に囲まれるイタリア南部は温暖な気候で、果実味の強いワインが人気です。
近年では設備の強化や近代化によって、より一層高品質なワインも生産されるようになり、これからの展望も気になるエリアです。

タウラ―ジ(カンパーニア州)

カンパーニアの州都はナポリでアマルフィ海岸も有名です。
温暖な気候と火山土壌はワイン造りにも理想的です。
そのカンパーニア州で生産されるのがタウラージ。
アリアニコ種かつ作られるタウラ―ジは南のバローロともいわれており、長期熟成にも耐えうる深い香りが特徴的です。
「南イタリアで最も尊敬されるワイン」とも称されており、高い評価を得ています。

プリミティーヴォ(プーリア州)

イタリアの国土を長靴としたときにかかとの部分に位置するプーリア州。
イタリア国土の中では珍しく山岳地帯が少なく平地がひろがるプーリア州の土着品種がプリミテティーヴォです。
この名称は「最初の」を意味しており、発芽から開花成熟まで他の品種よりも早いことにちなんでいます。
他の品種に比べて太陽をたっぷり浴びているため、果実味が高く甘くフルーティーな味わいが特徴です。
またカリフォルニアワインでよく使用される「ジンファンデル種」の同一品種としても有名です。同じDNAを持っていますが、ジンファンデルは酸が弱くプリミテティーヴォは比較的酸がしっかりでています。
ながらくクロアチアやイタリアプーリア州で栽培されており、またジンファンデルもカリフォルニアでの歴史は古くからありますが、同一品種だと解明されたことは近年になってからのことでした。

ネグロアマーロ(プーリア州)

ネグロは「黒」、そしてアマ―ロは「苦い」を意味するネグロアマーロ
その名の通り、濃く、タンニンもよく効いた品種といえます。
パワフルなボディが印象的ですが、初心者の方にもおすすめできるイタリアワインです。
ラズベリーやブラックチェリー、カシスのようなフルーツに似た香りが特徴として上げられることが多いです。
プーリア州のなかでも南部のサレント地方で多く栽培されており熱く乾燥した気候に適しています。
赤ワインはもちろんロゼワインとしても人気があり、イタリアで最初に瓶詰されたロゼワインはネグロアマーロを使用したとも言われています。

まとめ

もちろん今回取り上げたのは数多あるイタリアワインのごくごく一部です。
地域によって傾向や特徴が共通することもあれば、生産者によって全く違うカラーを見せるイタリアワインもあります。
それぞれの個性を探すことの楽しさもイタリアワインの魅力の大きな一つかもしれません。

 

イタリアワイン①その魅力は多様性!【ブログDEゴザル】