引き続きカルヴァドスブランドを徹底解説!第2弾

前回のおすすめカルバヴァドス①はこちらから
おすすめカルヴァドス!①シャトードブルイユ/クリスチャンドルーアン/アドリアンカミュ【ブログDEゴザル】

カルヴァドスについてはこちらをごらんください。
カルヴァドス!りんごのブランデーは秋にぴったりの蒸留酒!【ブログDEゴザル】

ルモルトン

カルヴァドス・ドンフロンテといえばルモルトン!
カルヴァドス・ドンフロンテは洋ナシ(ポワレ)を30%以上仕込むことが義務つけられており、洋ナシの奥深い甘さがルモルトンの特筆すべきキャラクターになっています。
また伝統的な柱型連続式蒸留器を使用しているのも、特徴です。
これにより果実のフレッシュさが際立ち、素材の豊かな香りを残します。

ルモルトン トロワ エトワール

3年以上の熟成を経て出荷されるスタンダードなルモルトン。

ルモルトン トロワ エトワール

5年熟成

ルモルトン・ラルーテ

ラルーテとは希少品の意味。100年以上前の原酒もブレンドされているということです。また使用される洋ナシの比率がリンゴよりも多く、他のカルヴァドスには無い特別な存在感を持っています。
洋ナシの爽やかな香りと林檎の繊細なニュアンスが、長い熟成を経てすばらしい逸品に仕上がっています。

また「15年」や「30年」もラインナップにあり、これらは複数年のブレンドになります。「1962」「1971」「1999」などのヴィンテージが記載されたボトルはシングルヴィンテージのカルヴァドスになります。

ローリストン

 

こちらもドンフロンテカルヴァドス。ルイ・ド・ローリストンです。
半世紀以上の歴史を誇る老舗カルヴァドスメーカーです。
梨の含有率が多いローリストンのカルヴァドスは柔らかく繊細な甘さ、そして深みのある味わいが特徴的です。
ラインナップは基本的にヴィンテージボトルとしてリリースされています。
その中でユニークなリリースをご紹介します。

ローリストン ドンフロンテ 100% ポワール

100%ポワール、つまり洋ナシ100%のカルヴァドスです!
カルヴァドス ドンフロンテの条件としましては「ポワールを30%以上使用すること」
つまり、りんご(シードル)の量については触れられておりません。
よって、りんごを使用しない洋ナシ100%の蒸留酒であってもカルヴァドスを名乗ることができるのです。
フレッシュでフルーティーな香り。りんごのくったりとした甘さはありませんが、様々なフルーツが現れる他にない1本です。

モラン

1889年創業の歴史あるカルヴァドスメーカーです。
主に蒸溜者から質の高いカルヴァドスを買取り、それぞ自社で熟成しボトリングしています。大手コニャックハウスと同様の形態を取っていますが、創業から現在まで家族経営でカルヴァドスを生産しています。
その優れたブレンド技術によって高い品質のカルヴァドスをリリースしています。
カルヴァドスメーカーの多くは小規模生産であり、りんごの栽培から瓶詰まで行っていますが、モランの場合は複数の異なる土壌のりんごからなる原酒をブレンドしています。
それぞれの特徴を見極め、一体感あるブランデーを完成させます。

また熟成庫である洞窟もモランの個性のひとつです。
川のほとりにある洞窟内は湿度が高く、年間で80%~100%で安定しています。
高湿度の環境での熟成は、穏やかな酒質に寄与します。
モランのラインナップは幅広く3年熟成のリーズナブルなものから長期熟成のボトルまでさまざまですが、やはり注目は「モラン アンセストラル」ではないでしょうか。

モラン アンセストラル

まず視覚に飛び込んでくる圧倒的なビジュアル
湿度の高い貯蔵庫での貴腐カビがボトルにまとわりついています。
(これが純粋なカビかどうかは定かではありません。)
高級品ではあるのですが、このボトルを知らない人にプレゼントするといやがらせのように思われる可能性大ですのでおすすめしません。

ボトルのインパクトはさておき、アンセストラルは40年~50年熟成原酒を中心に構成されています。
その味わいも特徴的で他のカルヴァドスには無い香味を有しています。独特のスモーキーな香り、と優雅な渋み

個人的な偏見としましては、ユニークのボトルデザインは意外とスタンダードで王道の美味しいものが多いのですが、こちらはインパクト大のボトルに、唯一無二の個性的な味わい。
一度は飲んでみたいボトルです。

デュポン

ペイドージュに自社畑を所有するデュポンは一貫した家族経営のカルヴァドスメーカーです。
ペイドージュ地区に27ヘクタール、6000本のりんごの木を所有しており、その収穫からボトリングまですべて自社でおこなっています。
現在では世界中の高級レストランやバーなどで取り扱われており、確固とした地位を築いています。
フランスではタイユヴァンやトゥールダルジャンなどでも扱われており、高い評価によって支持されていることがわかります。

非常にラインナップが多いデュポンですが、その一部をご紹介します。

デュポン オルダージュ

熟成年数は10年~12年ほど
デュポンの中では入手性が高く、誰にもでもおすすめしやすいボトルです。
新樽熟成の原酒と古樽熟成の原酒をブレンドする方法によって作られており、さわやかながらも余韻の長い味わいでバランスに優れています。

デュポン 30年 カスクストレングス

樽出し後に加水処理、また冷却濾過を施さない(ノンチルフィルター)方法によって瓶詰されています。
ウイスキーでは多く見られるようになっていますが、ブランデー、なかでもカルヴァドスのカスクストレングスは革新的でした。
30年の長い熟成とカスクストレングスのパワフルなボディがあいまって素晴らしい逸品になっています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

シャトードブルイユ
クリスチャンドルーアン
アドリアンカミュ
ルモルトン
ローリストン
モラン
デュポン
のカルヴァドスをご紹介しました。
もちろんカルヴァドスメーカーは上記以外にもたくさんあります。

ブランドとしての個性やユニークなリリース、カルヴァドスも様々な個性と進化を見せています。
さまざまな蒸留酒のブームが再燃している昨今、カルヴァドスももちろん例外ではありません。
朝晩寒くなる季節になってきましたが、そんな秋の日にカルヴァドスは最適!
みなさんも今年の秋の夜長にカルヴァドスを楽しんでみてはいかがでしょうか。