スコッチウイスキーはシェリー樽派?バーボン樽派?
ウイスキーファンが集まるとこんな話題でもりあがることもしばしば。
しかし最近はユニークな樽を使用したウイスキーも増えてきました。
ワインやラムの樽を使用したウイスキーなどはよく見かけるようになり、より一層樽の選択肢が広くなっています。
今回取り上げるのはさらにユニークな樽を使用したスコッチウイスキー。
まだ出合ったことのない香りや味わいを探す旅に出かけましょう!

グレンモーレンジ パロ コルタド


GLEN MORANGE PALO CORTADO

樽熟成のパイオニアとして名高いグレンモーレンジ。
これまで様々な試みをしてきましたが、実験的という言葉に相応しくない完成度の高いリリースを続けるメーカーです。
そのグレンモーレンジから今年発売されるのは「グレンモーレンジィ バレルセレクト パロ コルタド」
パロコルタド。あまり聞き慣れない言葉ですが、こちらはシェリーの一種です。
しかしそこはグレンモーレンジ。様々な種類のあるシェリー樽のなかでもパロコルタドはひときわユニークで希少性の高いシェリーの一種です。
このシェリーはアモンティリャードの香りとオロロソの味(ボディ)を持っています。熟成過程においてシェリーは様々に分類されますが、パロ コルタドが興味深いのは生成過程を人工的に再現するのが非常に難しいということです。

公式HPには下記の記載があります。
樽での熟成中に発生するフロール(産膜酵母)が上手く形成されず死滅する場合があり、そこから酒精強化されたワインが酸化熟成したものがパロ コルタドとして誕生しました。

これをコントロールするのは非常に難しく、流通するパロコルタドのほとんどは偶然の産物といえます。

そんな希少なシェリーを使用した「グレンモーレンジ パロ コルタド」
バーボン樽にて8年、パロ コルタド シェリー樽にて4年熟成しています。

トフィー、マルドワイン、ブラジルナッツ等の香りが特徴として上げられています。
こちらのバレル セレクト シリーズは限定品とのことなので、気になる方はお早めに入手されることをお勧めします!

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク

THE GLENLIVET COGNAC CASK
王道のグレンリベットからは「コニャックカスク」
バーボン樽、シェリー樽で14年間熟成させたブレンドの一部を、コニャックを熟成した高品質な樽で6ヶ月間以上、後熟させています。
ユニークな樽を使用したウイスキーは限定品などに多いですが、こちらはレギュラーラインナップとして第一線で戦っています。
豊かなレーズンやハチミツ、スパイシーな香りはコニャックカスクに由来するもので、グレンリベット特有の爽やかなシトラスフレーバーと重なり合い、複雑な味わいを作り上げています。

ラガヴーリン11年 オファーマンエディション ギネスカスクフィニッシュ


Lagavulin Offerman Edition 11 Year Guinness Cask Finish
硬派なイメージが強いラガヴーリンからはなんと「ギネスカスク」

アメリカのコメディ番組「パークス アンド レクリエーション」でラガヴーリン、そしてギネスビールをこよなく愛するロン・スワンソンを演じるニック・オファーマンとのコラボボトルの第2弾です。
アイルランドで生まれた世界で最も飲まれている黒ビール(スタウトビール)の樽で4か月後熟しています。
スタウトビール由来の香ばしさやカラメルの甘さが、重厚なラガヴーリンにより一層の深みを与えています。

グレンフィディック IPA(インディア ペール エール) カスク

GLENFIDDICH IPA
グレンフィディック エクスペリメンタル (experimental:実験的な)シリーズの第一弾です。
IPAビールは、ホップを大量に使用して作られるエールビールの一種で、「インディア・ペールエール」の略称です。イギリスがインドへの輸送に耐えられるようにアルコール度数を高め、防腐剤の代わりにホップを多く投入したのが始まりだと言われており、ホップの量が多いので、強い苦みと華やかな香りが特徴です

グレンフィディック IPAカスクはアメリカンオーク樽で熟成させたグレンフィディックを一度抜き出した後、ビールを4週間詰めて寝かせます。
その後、樽からビールを抜き元々入っていたウイスキー原酒を詰め直し更に12週間後熟させています。
複雑な熟成スタイルは実験的ではありますが、グレンフィディックが送り出したボトルに間違いはありません!
グレンフィディックが持つ青りんごやシトラスの香りと、IPAに由来するホップの香りと苦みの相性は抜群です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ユニークな樽を使用したウイスきーが増えています。樽の種類だけでなく、その熟成方法においても各社が趣向を凝らしたボトルを意欲的にリリースしています。
伝統と歴史が重んじられてきたスコッチウイスキーにも新たな風が吹いており、飲み手にも新たな体験を可能にしています。
まだまだ樽を使うお酒はたくさんあります!これからもウイスキーの未来が楽しみですね!