どんどんと気温が上がり、いよいよ夏が近づいてくるのを肌で感じるこの季節。
皆様は夏はお好きでしょうか。
夏になると飲みたくなるもの…それはラム!
常夏のカリブ海諸島を中心にして発展して、今では世界中で親しまれていますが
やはりラムに似合う季節は夏でしょう!
今回は少し踏み込んだラムのボトラーズについて取り上げます。

「ボトラーズ・ラム」の存在感

ウイスキーファンにとってはおなじみのあるボトラーズブランド。
オリジナルの蒸留所やブランド、つまりオフィシャルブランドではなく、独自で原酒を仕入れて瓶詰、販売するものがボトラーズブランドです。
その特徴はオフィシャルブランドに比べて個性が出やすいことが上げられます。
大量生産ではなく小規模なために、ユニークで特徴的な味わいのものも多く、いろいろなラムを楽しみたいファンにとっては避けては通れない存在です。

ボトラーズは樽単位のため、世界で数百本というボトルが普通です。
一期一会の出合いと言えます。
またウイスキーボトラーズとの最大の違いは熟成の地域の違いにあると言えます。
ウイスキーの場合、生産国と熟成のための場所は同じ国や近しい地域であることがほとんどです。
スコッチウイスキーの場合などは地域呼称のために、他の国で熟成されることは非常に稀です。
しかしラムの場合、地域呼称がないために原酒と熟成国が違うことは珍しくありません。
またこれには理由があります。カリブ諸島や中南米のような熱帯ではなく、欧州などの寒冷地で熟成すると蒸発率が少なくなりオリジナルの風味を損なわずに長期熟成できるというメリットがあります。熱帯での長期熟成は蒸発量が非常に多く、長期熟成になると損失やまた味わいにおいても過熟のネガティブなフレーバーが伴いやすくなってしまいます。

現在のラムボトラーズメーカーの多くはスコッチウイスキーを扱っている欧州のブランドが多いですが、欧州の気候で熟成された原酒は甘さが抑えられた上品な味わいになるとして人気を博しています。

今回はボトラーズラムを扱う8社をご紹介します。
そのほとんどはウイスキーボトラーズからの展開のようです。

ブティック ラム カンパニー
THAT BOUTIQUE Y RUM COMPANY

 

 

 

 

 

ウイスキーでは有名なブティックウイスキーカンパニーの姉妹ブランド。
ブティック ラム カンパニー (That Boutique-y Rum Company)
単一蒸留所のラムからブレンデッドタイプまで幅広く扱っております。
ブティックウイスキーのラベルとは少しイラストのテイストが違いますが、一本一本個性のある見て楽しい、考えて楽しいラベルはコレクターの心をくすぐります。

サマローリ
SAMAROLI

 

 

 

 

 

1968年、シルヴァーノ・サマローリ氏が創業したイタリアのボトラーです。
ウイスキーにおいては伝説的なボトルを数々輩出し、非イギリス系のボトラーズのパイオニアともいえます。
近年ではラムにも力を入れており、長い歴史によって得た幅広いコネクション、そして老舗の絶対的な舌でボトリングされたラムには絶対的な安心感があります。
ラベルのデザインも特徴的で美しく絵画のようなボトルが並びます。

ラ・メゾン・ドゥ・ラム
LA MAISON DU RHUM

 

 

 

 

 

フランスのパリに拠点を構える「ラ・メゾン・ド・ウイスキー」LMDW社も現在はラムを始めとしたブランデーやスピリッツを扱っています。
創業60周年を迎えたLMDWですが、この20年で業容を大きく拡大し、世界中のネットワークを駆使して多様で高品質なお酒を扱っています。
生産者と確固たる信頼関係を築きあげた同社だからこそ、ラムにおいてもその品質は約束されています。

ジェネラル ラム トレーダーズ
GERERAL RUM TRADERS

 

 

 

 

 

ディアジオやダンカンテイラーで経験を摘んだスコットワトソン氏が立ちあげた新進気鋭のボトラーズです。
ウイスキーにおいても「ジェネラルラムトレーダーズ」として多くのウイスキーを排出しています。
厳選したラムのシングルカスクをノンチルフィルター、ノンカラーリングでボトリングしています。

キルデビル
KILL DEVIL

 

 

 

 

 

ウイスキではおなじみ、ハンターレイン社の子会社です。
アンドリュー・レイン氏が手掛ける「エディションスピリッツ社」による「キルデビル」シリーズです。
17~18世紀において、カリブ海の島々ではラムが「キルデビル」として作られていました。
気分を高め、悪魔を追い払う飲み物の意味です。
キルデビル社のラムは個性あふれる原酒をそのままスコットランドに運び瓶詰しています。

ブラックアダー
BLACKADDER

 

 

 

 

 

ウイスキーにおいては「ロウカスク」がお馴染みのブラックアダー。
1995年創業と比較的若いブランドですが、ウイスキーにおいては独特の視点から存在感を発揮しています。
ラムにおいても「ロウカスクシリーズ」があり、原酒の魅力を足さず加えずダイレクトにボトルに閉じ込めたブラックアダーの象徴ともいえるものになっています。

キングスバリー
KINGSBURY


スコットランドアバディーンに設立。1989年からウイスキーシングルモルトのボトリングをはじめた老舗のウイスキーボトラーズブランドです。
現在はラムの瓶詰にも取り組んでおり、「蒸留所の個性」「樽単位の個性」に注目したボトリングを特徴としています。
ノンチルフィルター、ノンカラーリング。

ワットウイスキー
WATT RUM


マークとケイトのワット夫妻が設立したボトラーズ、ワットウイスキー/ワットラム
2020年設立という新鋭のインディペンデントボトラーです。
キャンベルタウンに位置するワットウイスキーは、厳選した樽をノンカラーノンチルフィルターでボトリングしています。
良質なウイスキーとラムを出来るだけ多くの人に楽しんでもらいたい、適正な価格で提供したいという考えに基づき、コストパフォーマンスが高いボトルを排出しています。
ウイスキーでは存在感を伸ばしているワットウイスキーですが、ラムにおいても業界を牽引していってほしいですね。

まとめ

今回は8社のボトラーズラムブランドをご紹介しました。
ウイスキーの人気が高い現在ですが、ラムをはじめとする各種スピリッツもアツい時代になっています。
とりわけボトラーズラムに関しては以前に比べると非常に大きな動きがあり、これからの進展にも目が離せません。
世界各地の熱帯で生産されているラム(日本では沖縄でも!)、その個性は様々、そしてそれをボトリングする業者によってもその個性が強調され、まさに一期一会の体験になっています。
現時点においてはボトラーズラムを複数本置いているバーは多くはないですが、これから一層マーケットは拡大していくと思われます。
そしてそれに応じて価格も上昇します。
「あの時飲んでおけばよかった…」そんな後悔をしないためにも、ぜひボトラーズラムを見かけたら試してみることをお勧めします!