日本はまさにウイスキー戦国時代!
サントリーの山崎蒸留所、白州蒸留所。
ニッカの余市蒸留所、宮城峡蒸留所。
長い歴史と高い評価を得てきたジャパニーズウイスキーですが、
ジャパニーズウイスキーの高い評価を得て新たな蒸留所が多く登場しています。
北は北海道、南は鹿児島。
日本の各地で新たなウイスキーが生産され、さまざまなニュースがウイスキー業界を盛り上げています。
小規模ながらもクラフトマンシップあふれるクラフトウイスキーブーム。
ファーストリリースからまだ間もない新興蒸留所をピックアップします!
今回は北海道「厚岸蒸留所」と静岡「ガイアフロー」の二つをフィーチャー!
目次
北海道「厚岸蒸留所」
北海道・厚岸にて稼働を始めた蒸留所です。
北海道の東部に位置し、東側には釧路湿原公園を望みます。
「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」にて
「厚岸 ブレンデッドウイスキー処暑」が世界最高賞(ブレンデッドウイスキー部門)を受賞しています。
まだ歴史の浅い蒸留所ではありますが、既に高い評価を得ており、世界的に注目が集まる蒸留所になることでしょう。
2016年に蒸留を開始した厚岸蒸留所です。
2013年から試験熟成を開始しておりプロジェクトはそこから始まったようです。
「アイラモルトのようなウイスキーを」
厚岸蒸留所の原点は
「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」
という理念に支えられています。
設備もスコットランドのフォーサイス社製の物を導入しており、日本においてのスコッチウイスキーの再現に意欲的な蒸留所です。
ピートが特徴的なアイラ島のウイスキーを再現するべく、ピート(泥炭)層を通った水を仕込みに使っています。
厚岸は海霧が発生しやすく、北島には湿原があります。
この霧や湿原などがアイラ島の風土に共通する特徴です。
スコットランド・アイラ島に近い冷涼かつ湿潤な土地でウイスキーは熟成されています。
厚岸蒸留所のリリース
厚岸は二十四節季をテーマに毎年新たなウイスキーをリリースしています。
1年春夏秋冬の4つの季節をさらに6つに分けたもので、1年を24区分したものです。
シリーズ
2020年 10月 シングルモルトウイスキー 寒露(かんろ)
2021年 2月 ブレンデッドウイスキー 雨水(うすい)
2021年 5月 シングルモルトジャパニーズウイスキー 芒種(ぼうしゅ)
2021年 8月 ブレンデッドウイスキー 処暑(しょしょ)
2021年 11月 シングルモルトジャパニーズウイスキー 立冬(りっとう)
2022年 2月 ブレンデッドウイスキー 大寒(だいかん)
シリーズはこれまでで6本発売されています。
嬉しいことに第7弾 「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 清明(清明)」の発売も発表されています。
こちらは五月末頃に発売予定のようですが楽しみですね!
同蒸留所の発信を追うと、ヘビリーピーテッドへの強い気持ちが伺えます。
日本においてアイラモルトのようなスモーキーでピートの強いものを全面に押し出している蒸留所はほとんど内容に思います。
多くの人から注目され、将来が気になる蒸留所です。
静岡「ガイアフロー静岡蒸留所」
2012年から洋酒インポーターとして設立されたガイアフロー株式会社は2015年からウイスキー製造に参入。
2016年に静岡蒸留所設立し、2019年12月に「シングルモルトウイスキー プロローグK」の発売に至っています。
ガイアフロー静岡蒸留所は静岡奥座敷に位置し、南アルプスからの上質な伏流水によって作られています。
静岡市産の杉林を用いた発酵槽や、ポットスチルには地元の薪薪を用いるなど、
静岡の自然と共存する蒸留所になっています。
KとWの蒸留器
静岡蒸留所には2基の初留用蒸留器が稼働しています。
「K」
「K」は1950年代に日本で製造された歴史ある蒸留器です。
すでに閉鎖した旧軽井沢蒸留所で稼働していたものになりますが、
これを静岡蒸留所に移設し、現代においても稼働しています。
長らく軽井沢蒸留所で眠ってた蒸留器ですが2016年、ガイアフローの手によって復活したのです。
現在では初留用として稼働しているようです。
2016年に発売された「ガイアフロー プロローグK」はこのK蒸留器を用いた原酒によって構成されています。
繊細でデリケートな香りにウッディで、上品に香るピートが静岡蒸留所の初陣を切りました。
「W」
「W」の蒸留器は世界でも稀有な直火蒸留器です。
そのなかでも薪を燃料とした蒸留器は唯一無二、類例のないものになっています。
静岡の土地の針葉樹間伐材を薪を燃料としています。
薪を燃料とすることによって、他の蒸留器では無しえない高温を実現します。
これによりコクと力強さを持つ原酒を産み出します。
2021年に発売された「ガイアフロー プロローグW」は、
このW蒸留器の特徴であるしっかりとしたボディ感を強調したブレンディングになっており、
プロローグKとはまた違うアプローチになっています。
コンタクトS
2021年11月に発売された「シングルモルトウイスキー 静岡コンタクトS」はKとWの蒸留器をブレンドしたウイスキーになります。
二つの個性を持つウイスキーがブレンディングされ、ガイアフロー・ウイスキーのキャラクターを代表するウイスキーになります。
フルーティーかつライトなKと、ヘビーさと長い余韻を持つWが調和します。
まとめ
ジャパニーズウイスキーブームによって新興蒸留所のウイスキーの人気も白熱しています。
これらの蒸留所はまだ浅く、高い評価を得ているものの、まだ若いウイスキーであることは確かです。
「10年」を名乗れるタイミングにボトリングされるウイスキーがどのように変化熟成しているのかは楽しみです。
今飲めるものはまだ若いものですが、都度ボトリングされているWork In Progressなウイスキーを飲み、
成長を共に見届けるのは素敵な飲み方だと思いませんか?
3年に満たないニューポットであっても、即完売、高値取引されることも珍しくありません。
白熱するジャパニーズウイスキー。
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