「グレンモーレンジ18年が新しくなったと聞いたけれど、中身はどう変わったの？」
「手元にあるグレンモーレンジ、飲むべきか、それとも買取に出すべきか迷っている」
「インフィニータ（Infinita）という名前にはどんな意味が込められているのだろう？」

ウイスキー愛好家の間で絶大な人気を誇るハイランドの銘酒、グレンモーレンジ。そのラインナップの中でも、長年愛されてきた「18年」が装いを新たに「グレンモーレンジ18年 インフィニータ」として生まれ変わりました。しかし、パッケージの変更だけでなく、そのコンセプトや味わいの微細な変化について詳しく知りたいという方は多いはずです。

この記事では、グレンモーレンジ蒸留所の歴史的背景から、インフィニータの魅力、そして手放す際に損をしないための知識まで、余すところなくお伝えします。

目次

• 1. 完璧すぎるウイスキー「グレンモーレンジ」とは
• 2. 「インフィニータ」へ進化。グレンモーレンジ18年の深層
• 3. 味わいと香りのテイスティングレポート
• 4. 旧ボトルとインフィニータ、何が変わったのか？
• 5. 高価買取のためのチェックポイント

1. 完璧すぎるウイスキー「グレンモーレンジ」とは

まず、グレンモーレンジという蒸留所そのものの特異性について触れなければなりません。スコットランドのハイランド地方、テインの町にあるこの蒸留所は、1843年の創業以来、「Unnecessarily Well Made（必要以上に、よく造られた）」というキャッチコピーが示す通り、妥協なき品質追求で知られています。

スコットランドで最も背の高いポットスチル

グレンモーレンジの味わいを決定づけている最大の要因は、そのポットスチル（蒸留器）の形状です。グレンモーレンジのポットスチルは、大人のキリンと同じくらいの高さがあると言われ、その高さは約5.14メートルにも及びます。これはスコットランドで最も背の高い蒸留器の一つです。

なぜ背が高いと良いのか？
背の高いポットスチルを使うと、重たい蒸気は上まで登りきることができず、蒸留器の中に戻ってしまいます（還流）。結果として、ネックの最上部まで辿り着けるのは、最も軽く、純粋で、フルーティーな蒸気のみとなります。これが、グレンモーレンジ特有の「エレガントで華やか」な原酒を生み出す理由です。

「樽のパイオニア」としてのこだわり

美しい原酒ができたら、次は熟成です。グレンモーレンジはウイスキー業界における「ウッド・マネジメント（樽管理）のパイオニア」として知られています。

彼らは、熟成に使用する樽を徹底的に選別します。特に有名なのが「デザイナーカスク」と呼ばれる、グレンモーレンジのために特別に仕立てられた樽の使用です。さらに、一度ウイスキーの熟成に使った樽は、最大でも2回までしか使用しません。多くの蒸留所が5回、6回と樽を使い回す中で、このこだわりは異例です。これにより、樽由来のバニラやクリームブリュレのような甘い風味が、雑味なくウイスキーに移るのです。

2. 「インフィニータ」へ進化。グレンモーレンジ18年の深層

これまでの「グレンモーレンジ 18年」は、その完成度の高さから愛好家の間では既に殿堂入りのような扱いを受けていました。しかし、近年ブランド全体のリニューアルに伴い、18年は「インフィニータ（Infinita）」という新たな名前を冠することになりました。

15年＋3年の魔法

インフィニータの製法は非常にユニークです。まず、アメリカンホワイトオークのバーボン樽で15年間熟成させます。ここで、グレンモーレンジらしい柑橘系の華やかさと滑らかさが形成されます。

その後、原酒の約30％を取り出し、スペイン産のオロロソシェリー樽に移し替えてさらに3年間熟成させます（後熟／フィニッシュ）。残りの70％はそのままバーボン樽で熟成を続けます。

そして18年後、この2つの原酒を再びブレンド（マリッジ）させます。バーボン樽由来の「華やかさ・バニラ香」と、シェリー樽由来の「ナッツ・ドライフルーツの重厚感」が融合し、単一の樽では決して表現できない「無限」の複雑さが生まれるのです。

3. 味わいと香りのテイスティングレポート

では、実際にグラスに注いだ時、グレンモーレンジ18年 インフィニータはどのような表情を見せるのでしょうか。私自身のテイスティング体験をもとに、その官能的な世界を言葉にしてみます。

香り（Nose）

トップノートは非常にリッチです。ドライフルーツの凝縮感、特にレーズンやデーツのような甘く重厚な香りが漂います。しかし、重たいだけではありません。その奥から、グレンモーレンジらしいオレンジマーマレードのような柑橘系の爽やかさ、そしてハニーサックル（スイカズラ）のような白い花のフローラルな香りが顔を出します。時間が経つにつれて、クルミやキャラメルのような香ばしさも感じられ、香りを嗅いでいるだけで幸せな気分になります。

味わい（Palate）

口に含むと、まず驚くのはその「シルクのような滑らかさ」です。アルコールの刺激（ピリピリ感）は皆無と言っていいほど角が取れています。
味の第一印象は、グレープフルーツとハチミツ。そこに、オロロソシェリー樽由来のイチジクや炒ったナッツの風味が重なります。さらに、わずかなスモーキーさと、高品質なオーク樽から来る温かみのあるスパイスが全体を引き締めます。まさに「複雑」という言葉がぴったりです。

余韻（Finish）

フィニッシュは長く、そして甘美です。ドライフルーツの甘みがいつまでも続き、最後にほんのりとしたミントのような清涼感が鼻に抜けます。飲み込んだ後も、口の中に素晴らしい演奏の余韻が残るような感覚。「インフィニータ（無限）」という名前が決して大袈裟ではないことを実感できる瞬間です。

4. 旧ボトルとインフィニータ、何が変わったのか？

コレクターや買取を検討されている方にとって最も気になるのは、「新旧の違い」でしょう。

公式には「中身の基本的なレシピに変更はない」とされています。しかし、ウイスキーは生き物です。ボトリングされた時期（バッチ）によって微細な違いは生まれます。一部の愛好家の間では、「インフィニータになってから、よりフルーティーさが際立ち、洗練された印象になった」という声も聞かれます。
また、デザイン面では大きな刷新がありました。以前の「重厚で男性的」なイメージから、鮮やかなブルーを基調とした「エレガントで現代的」なパッケージへと変わっています。これは、新しい層のファンを獲得するための戦略とも言えるでしょう。

5. 高価買取のためのチェックポイント

もし、お手元に飲まないグレンモーレンジ18年がある場合、それは今が良い売り時かもしれません。特に「旧ボトル」は流通量が減っていくため、コレクター需要が高まる可能性があります。また、「インフィニータ」も贈答品としての需要が高く、安定した価格で取引されています。

査定額を少しでもアップさせるためのポイントをまとめました。

1. 外箱（カートン）の有無

グレンモーレンジ18年は、高級ウイスキーの部類に入ります。そのため、ご自身で飲む方だけでなく、プレゼント用に購入される方も非常に多いです。プレゼント需要において「箱」は必須アイテム。箱があるだけで査定額が変わることも珍しくありません。角の潰れや傷がないきれいな状態であれば、さらにプラス査定が期待できます。

2. ラベルとボトルの状態

保管状態が悪いと、ラベルにカビが生えたり、剥がれたりすることがあります。また、直射日光に当たると中身の色が薄くなったり、風味が劣化（ヒネ香が発生）する原因になります。冷暗所で保管されていたものは、中身の品質も保たれていると判断されやすく、高評価に繋がります。

3. まとめて売る

グレンモーレンジには18年以外にも、10年（オリジナル）、ラサンタ、キンタ・ルバン、ネクター・ドールなど魅力的なラインナップがあります。これらをまとめて査定に出すと、店舗側のコストが削減できる分、査定額に還元できるケースが多いです。「1本だけだと頼みにくい」と思わず、ぜひまとめてご相談ください。

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