ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ ワインの魅力

1. ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの概要

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Luce Brunello di Montalcino)は、イタリアのトスカーナ州モンタルチーノ地区で生産されるプレミアムな赤ワインであり、イタリアワインの中でも特に高く評価される銘柄の一つです。このワインは、テヌータ・ルーチェ(Tenuta Luce)というワイナリーによって造られており、サンジョヴェーゼ(ブルネッロ)100%を使用したフルボディの赤ワインです。D.O.C.G.(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの格付けを持ち、その品質と希少性から「イタリアワインの女王」とも称される逸品です。ルーチェの名を冠したこのワインは、力強さとエレガンスを兼ね備えた味わい、複雑なアロマ、そして長期熟成のポテンシャルで世界中のワイン愛好家を魅了しています。

2. テヌータ・ルーチェの歴史

テヌータ・ルーチェは、1995年にイタリアの名門ワイナリーであるマルケージ・デ・フレスコバルディ(Marchesi de’ Frescobaldi)と、アメリカのワイン界の巨匠ロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)のジョイントベンチャーとして設立されました。このプロジェクトは、トスカーナの伝統と新世界の技術を融合させ、モンタルチーノのテロワールを最大限に活かした「完璧で偉大なワイン」を造ることを目指して始まりました。ルーチェの名前は「光」を意味し、モンタルチーノの嵐の後に差し込む太陽の光と新たな生命の誕生を象徴しています。この名前は、フィレンツェのサント・スピリト聖堂の装飾にインスパイアされたもので、ルーチェのシンボルである「12の炎の輪に囲まれた太陽」は、ルネサンス期の芸術作品に由来しています。

当初、ルーチェはサンジョヴェーゼとメルローをブレンドしたスーパータスカン「ルーチェ」で一躍有名になりましたが、2003年からはモンタルチーノの伝統に敬意を表し、サンジョヴェーゼ100%のブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生産を開始しました。このワインは、ルーチェの名を世界に知らしめるための特別なキュヴェとして生まれ、生産量がルーチェの約4分の1と非常に限られているため、希少価値が非常に高いワインとして知られています。2005年にフレスコバルディ家がモンダヴィの持ち株を全て取得し、現在はフレスコバルディ家の完全所有のもと、ランベルト・フレスコバルディが運営を統括しています。

3. 生産地:モンタルチーノとそのテロワール

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、トスカーナ州のモンタルチーノ地区で生産されます。モンタルチーノは、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCGのワインを生み出す世界的に有名なワイン産地であり、シエナの南に位置する丘陵地帯に広がっています。テヌータ・ルーチェの畑は、モンタルチーノの南西部、標高350~420mの高地に位置し、総面積192ヘクタールのうち55ヘクタールがブドウ栽培に使用されています。このうち、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに使用されるのはわずか11ヘクタール(一部の情報では5ヘクタール)で、特に厳選された「マドンニーノ」と呼ばれる畑のブドウが使用されます。

この地域のテロワールは、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの品質を決定する重要な要素です。標高の高い畑はガレストロ(石灰質の粘土と岩石が混じる土壌)が豊富で、水はけが良く有機物が少ないため、サンジョヴェーゼの栽培に最適です。一方、低地の畑は粘土質が多く、メルローの栽培に適しています。ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、ガレストロ質の痩せた土壌で育つサンジョヴェーゼを使用し、力強さと繊細さを兼ね備えたワインを生み出します。年間を通じて日照が豊富で、乾燥した気候と昼夜の気温差が大きいこの地域は、ブドウのゆっくりとした成熟を促し、凝縮した果実味と鮮やかなアロマを生み出す理想的な条件を提供します。

4. 醸造プロセス

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの醸造は、伝統と最新技術の融合によって行われます。以下は、一般的な醸造プロセスです:

  • 収穫:ブドウは手摘みで収穫され、2019年のヴィンテージでは10月1日から開始されました。収穫時期はブドウの完熟度を最大限に引き出すために慎重に選ばれます。
  • 発酵:収穫されたブドウは選果後、約26~30℃に温度管理されたステンレスタンクで10~12日間発酵し、約4週間のマセラシオン(果皮浸漬)を行います。このプロセスにより、色素、タンニン、アロマがワインに抽出されます。
  • 熟成:発酵後、ワインはスラヴォニアンオークの大樽(一部のヴィンテージでは新樽比率90%、1年使用済み樽10%のフレンチオークの小樽も使用)で24ヶ月以上熟成されます。この長期熟成により、ワインに複雑な風味と滑らかなタンニンが加わります。瓶詰め後、さらに瓶内熟成を経てリリースされます。
  • 認証:ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、D.O.C.G.の厳格な基準を満たすため、生産工程や品質管理が徹底されています。各ボトルには認証シールが貼られ、データベースに情報が登録されており、消費者がその詳細を確認できます。

この丁寧な醸造プロセスにより、ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、モンタルチーノの伝統を尊重しつつ、テヌータ・ルーチェの独自のスタイルを表現したワインとなっています。

5. 味わいと特徴

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、力強さとエレガンスが見事に調和したフルボディの赤ワインです。以下に、代表的なヴィンテージ(特に2019年)の味わいと特徴を詳述します:

  • 色調:輝く濃いルビーレッドからレンガ色に近い透明感のある色合い。サンジョヴェーゼらしい鮮やかな色調が特徴です。
  • 香り:チェリー、ブラックベリー、レッドプラム、オレンジの皮などの赤い果実や熟した黒系果実のアロマが強く、甘草、パイプタバコ、スミレ、黒トリュフ、紅茶、シナモン、ルバーブなどの複雑なニュアンスが感じられます。スパイスやフローラルな印象が調和し、芳醇で魅惑的な香りが広がります。
  • 味わい:口当たりは滑らかで、親しみやすく生き生きとした味わい。完熟したタンニンが緻密なストラクチャーを形成し、果実味とオーク樽由来のトースティな風味がバランスよく融合しています。余韻は長く、柑橘系の爽やかさやバニラ、タバコの複雑味が残ります。若いうちから楽しめますが、10~20年の熟成によりさらに深みが増します。
  • アルコール度数:約15%と比較的高めで、力強いボディを支えています。

このワインは、牛肉や子羊のロースト、ジビエ、熟成チーズなどと相性が良く、特にしっかりとした味わいの料理と合わせることでその魅力が引き立ちます。

6. 評価と受賞歴

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、国内外のワイン評価誌で非常に高い評価を受けており、特に以下のヴィンテージが注目されています:

  • 2019年ヴィンテージ
    • ジェームズ・サックリング:98点。「ブラックチェリーとブルーベリーにクルミとラベンダーのニュアンス。ミディアムボディでタンニンは非常に繊細。フレッシュで鮮やか。2027年以降がベスト。」
    • ワイン・スペクテーター:95点
    • ワイン・アドヴォケイト:93点
    • ブルネッロ協会:5つ星ヴィンテージ認定。
  • 2018年ヴィンテージ
    • ジェームズ・サックリング:96点
    • ワイン・アドヴォケイト:93点
  • 2017年ヴィンテージ
    • ワイン・アドヴォケイト:94点
  • 過去のヴィンテージ
    • 2006年、2010年、2015年はジェームズ・サックリングで100点満点を獲得する快挙を達成。
    • 2012年は「ベンヴェヌート・ブルネッロ」で5つ星を獲得。

これらの高評価は、ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノが一貫して高い品質を維持していることを示しています。特に2019年は、モンタルチーノ全体で「過去30年で最高のヴィンテージ」と評価されるほどの優れた年であり、ルーチェのブルネッロもその恩恵を受けています。

7. 希少性と市場での位置づけ

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、生産量が非常に限られているため、希少価値が高いワインです。ルーチェの総生産量(年間約80,000本)の約4分の1しか生産されず、日本への輸入量もごくわずかです。このため、ワイン愛好家やコレクターの間で「ファン垂涎のキュヴェ」と呼ばれ、入手が難しいワインとして知られています。

8. テヌータ・ルーチェの哲学とサステナビリティ

テヌータ・ルーチェは、モンタルチーノの自然とテロワールに深い敬意を払い、持続可能なワイン造りを実践しています。2001年以降、有機農法やバイオダイナミック農法を導入し、ブドウ栽培における環境負荷の軽減に取り組んでいます。新樽の使用率を85%に設定し、厳選されたオーク樽を用いることで、ワインの品質をさらに高めています。また、ルーチェのワイン造りは「自然が与える恵みを最大限に引き出す」ことを重視し、ブドウの収穫から熟成まで、細部にわたる丁寧な管理が行われています。

9. ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの楽しみ方

このワインは、若いうちから楽しめる親しみやすさを持ちつつ、長期熟成によるさらなる進化が期待できるため、さまざまなシーンで楽しむことができます。以下はおすすめの楽しみ方です:

  • 飲むタイミング:リリース直後から楽しめますが、5~10年以上の熟成により、タンニンがさらに滑らかになり、複雑な風味が開花します。2027年以降が飲み頃とされる2019年ヴィンテージは、長期熟成のポテンシャルも高いです。
  • ペアリング:牛肉のステーキ、子羊のロースト、鹿肉などのジビエ、熟成チーズ(例:パルミジャーノ・レッジャーノ)との相性が抜群です。トスカーナ料理のビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)との組み合わせは特に絶品です。
  • サービング:16~18℃で提供し、デキャンタージュすることでアロマと味わいがより引き立ちます。大きなブルゴーニュ型のグラスを使用すると、複雑な香りを存分に楽しめます。

10. まとめ

ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、トスカーナの名門フレスコバルディ家とロバート・モンダヴィの情熱が結実した、モンタルチーノのテロワールを体現する傑作ワインです。サンジョヴェーゼ100%による力強くもエレガントな味わい、複雑なアロマ、長期熟成のポテンシャル、そして希少性から、世界中のワイン愛好家に愛されています。2019年ヴィンテージのような優れた年は特に評価が高く、ジェームズ・サックリングの98点やブルネッロ協会の5つ星認定など、その品質は折り紙付きです!

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