シャトー ディケム 1994 CHATEAU D’YQUEM 高価買取致しました!
シャトー・ディケムは、フランスのボルドー地方ソーテルヌ地区に位置する、世界最高峰の貴腐ワインの生産者として知られています。甘く高貴な香りのディケムを解説いたします!

シャトー・ディケムとは

シャトー・ディケムは、フランス南西部のアキテーヌ地方ジロンド県ソーテルヌ村に位置するワイン生産者で、貴腐ワイン(極甘口白ワイン)の最高峰として世界的に名高い存在です。ボルドー地方のグラーヴ地区に属し、1855年のボルドーワイン公式格付けにおいて、ソーテルヌ地区のワインとして唯一「プルミエ・クリュ・シュペリュール(特別第一級)」に認定されました。この格付けは、シャトー・ディケムの卓越した品質と、他のどのソーテルヌワインとも一線を画す地位を象徴しています。

貴腐ワインとは、貴腐菌(Botrytis cinerea)によってブドウが干しブドウ状に濃縮された状態で収穫され、極めて甘く複雑な味わいを持つワインを指します。世界三大貴腐ワインの産地(フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・アスー・エッセンシア)の中でも、シャトー・ディケムは別格とされ、ワイン愛好家や専門家の間で「世界最高の甘口ワイン」と評価されることが多いです。

シャトー・ディケムのワインは、その濃厚な甘さ、複雑なアロマ、高い酸味によるバランス、そして驚異的な熟成能力で知られています。100年以上の熟成にも耐えるその品質は、時に神秘的とも称され、オークションでは1800年代のヴィンテージが驚異的な高値で取引されることもあります。


歴史と背景

シャトー・ディケムの歴史は中世に遡り、ボルドー地方でも最も古いシャトーの一つです。その起源は15世紀にまで遡るとされ、1593年にリュル=サリュース家が所有権を取得しました。この家族は長年にわたりシャトーの運営を担い、その伝統と品質を今日まで守り続けました。1826年にフランソワーズ・ジョゼフィーヌ・ド・リュル=サリュースがシャトーを正式に設立し、貴腐ワインの生産に特化した醸造を本格化させました。

1855年のパリ万博に合わせて行われたボルドーワインの格付けでは、シャトー・ディケムはソーテルヌ地区の27のシャトーの中で唯一「プルミエ・クリュ・シュペリュール」に選ばれました。この評価は、ディケムの品質が他のソーテルヌワインを圧倒していたことを示しています。現在、シャトーはLVMHグループ(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)の傘下にありますが、リュル=サリュース家の伝統的なサヴォアフェール(職人技)は引き続き尊重されています。

ディケムの歴史には、数々の興味深い逸話があります。例えば、1787年のヴィンテージはアメリカのトーマス・ジェファーソン(後の第3代大統領)が愛好し、彼が購入した記録が残っています。また、19世紀にはロシアの貴族やヨーロッパの王侯貴族がディケムのワインを求めたことで、その名声はさらに高まりました。


ブドウ畑と栽培方法

シャトー・ディケムのブドウ畑は、約113ヘクタールに及び、砂利と粘土質が混在する土壌で構成されています。この土壌の多様性が、ディケムのワインに複雑さと深みを与える要因の一つです。特に、粘土質は水はけが悪いため、19世紀から97キロメートルに及ぶ排水パイプが敷設され、ブドウ栽培に最適な環境が整えられています。

栽培されるブドウ品種は、セミヨン(約80%)とソーヴィニョン・ブラン(約20%)です。セミヨンは貴腐ワインに濃厚な甘さとボディを提供し、ソーヴィニョン・ブランは爽やかな酸味とアロマを加えます。ディケムの畑では、ブドウの樹齢を高く保つことが重視され、古い樹は定期的に植え替えられ、休耕期間を設けることで土壌の健康を維持しています。

ディケムの栽培方法は非常に厳格で、貴腐菌の繁殖を最適化するために細心の注意が払われます。貴腐菌は、ブドウの水分を蒸発させ、糖分と風味を濃縮しますが、このプロセスは天候に大きく左右されます。霧の多いソーテルヌ地区の気候は、貴腐菌の繁殖に理想的ですが、ディケムではさらにブドウの潜在アルコール度数を高めるため、冬の剪定で1枝に2つの芽のみを残すなど、収量を極端に抑える手法が採用されています。

収穫は手作業で行われ、ブドウの粒単位で選別されます。貴腐化が完全な粒のみを収穫する徹底ぶりは、ディケムの品質へのこだわりを象徴しています。この作業は非常に手間がかかり、1本のブドウの樹からグラス半分程度のワインしか生産できないこともあります。品質基準に満たない年は生産を見送ることもあり、例えば1960年代や1970年代の数年間ではディケムのワインが市場に出なかったこともあります。


醸造プロセス

シャトー・ディケムの醸造プロセスは、伝統と革新の融合です。収穫されたブドウは1時間以内に醸造所に運ばれ、空気式圧搾機で2回、続いて垂直式圧搾機で圧搾されます。この丁寧な圧搾により、ブドウの純粋な果汁が抽出されます。発酵は温度管理された地下タンクで行われ、発酵しないよう低温で保管されます。

その後、ワインはオークの新樽で3年間熟成されます。この熟成期間中、ワインは定期的に試飲され、品質が厳しくチェックされます。ディケムのワインは、濃厚な甘さと高い酸味のバランスが特徴で、熟成によってさらに複雑な二次的・三次的な風味(蜂蜜、キャラメル、ドライフルーツ、ナッツなど)が現れます。

ディケムの生産量は少なく、年間約6万3千~7万本程度(750mlボトル換算)です。この希少性が、ディケムのプレミアムな価値をさらに高めています。


味わいとフードペアリング

シャトー・ディケムのワインは、濃厚な甘さ、複雑なアロマ、しっかりとした酸味によるバランスが特徴です。若いヴィンテージでは、アプリコット、ピーチ、シトラス、蜂蜜などのフルーティな香りが支配的ですが、熟成が進むと、キャラメル、トフィー、ナッツ、スパイス、ドライフルーツなどの複雑な風味が現れます。色合いは若いうちは輝く黄金色ですが、数十年の熟成を経ると美しい琥珀色に変化します。

ディケムのワインは、デザートワインとしてだけでなく、多様な料理とのペアリングが可能です。以下は代表的なフードペアリングの例です:

  • シーフード:貝、ロブスター、カニ、カキなど。特に生ガキとの相性は抜群で、ディケムの甘さとシーフードの塩味が調和します。
  • フォアグラ:フォアグラの濃厚な甘味と塩味が、ディケムの複雑な風味と完璧にマッチします。
  • スパイシーな料理:アジア料理やスパイスを使ったローストチキン、豚肉料理とも相性が良いです。
  • チーズ:ブルーチーズや熟成したハードチーズとの組み合わせは、ディケムの甘さとチーズのコクが互いを引き立てます。
  • デザート:フルーツタルトやクリームブリュレなど、甘さ控えめのデザートと合わせると、ワインの風味が一層際立ちます。
  • ディケムは冷やして(摂氏14度程度)提供されることが推奨され、グラスの中で徐々に温まることでアロマが開き、味わいがより豊かになります。

当たり年と評価

シャトー・ディケムのワインは、ヴィンテージごとの品質差が顕著で、「当たり年」が注目されます。以下は、特に評価の高い当たり年のリストです(パーカーポイントやワインサーチャーの評価に基づく):

  • 1945年、1962年、2001年、2009年:パーカーポイント100点を獲得。完璧なバランスと濃厚な風味が特徴。
  • 1959年、1967年、1971年、1975年、1983年、1988年、1989年、1990年、1994年、1998年、2005年、2011年、2015年:いずれも高評価で、特に1988年は「1975年の偉大なワインを踏襲する」と称賛されました。
  • ディケムの当たり年は、貴腐菌の繁殖に最適な気候条件(霧と晴天のバランス)が整った年に生まれます。逆に、品質基準に満たない年は生産が見送られるため、ディケムのワインは常に最高品質が保証されています。

文化的意義と市場価値

シャトー・ディケムは、ワインの世界における文化的なアイコンでもあります。その希少性と品質から、コレクターや投資家の間で高い人気を誇り、オークションでは驚異的な価格で取引されることがあります。例えば、2024年に1874年のヴィンテージが約90万円、1857年のボトルが約21万円で落札された記録があります。

ディケムのワインは、単なる飲料を超えた存在として、芸術品や歴史的遺産ともみなされます。100年以上の熟成に耐えるその能力は、ワイン愛好家にとって「時を超える味わい」を象徴し、特別な場面での贈り物や祝賀の席で愛されます。


まとめ

シャトー・ディケムは、貴腐ワインの頂点に君臨する存在であり、その歴史、厳格な生産プロセス、複雑な味わい、長期熟成のポテンシャルは他の追随を許しません。ボルドーの誇る9大シャトーの中で唯一の白ワインとして、ワイン愛好家や美食家にとって特別な存在です。その一本一本が、職人技と自然の奇跡の結晶であり、飲む者に忘れがたい感動を与えます。ディケムのワインを味わうことは、単なる飲酒を超え、歴史と文化を味わう体験と言えるでしょう。

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