1917年、三菱財閥によって日本光学工業株式会社が設立され、ここからNikon(ニコン)の歴史が始まりました。現在の社名であるニコンは、戦後に参入した35㎜フィルムカメラの商品名・ブランド名からきています。
設立当時は第一次世界大戦中であり、当初は軍事用の光学部品を製造することが目的でした。敵国となったドイツから双眼鏡や光学部品の輸入が途絶えてしまい、日本軍向けの潜望鏡や爆撃照準器などを国内で製造する必要があったのです。
終戦により軍事需要は失われ、一旦は事業を縮小しますが、直後には戦前より技術を培ってきた「ニッコールレンズ」の製造を再開。1950年の朝鮮戦争が始まった頃、従軍米兵が「ニッコールレンズ」による写真の仕上がりの美しさに感銘を受けたことから、米国の雑誌で紹介されたのです。これにより瞬く間にニコンの知名度は上がり、1970年代までには世界有数のカメラメーカーとなりました。
さらに1971年には、NASAからの依頼でアポロ15号に「ニコン フォトミックFTN」を提供。以来、NASAは、厳しい環境や過酷な環境に耐えられる「宇宙でも確実に動くカメラ」として絶大なる信頼を置き、現在に至るまで使用し続けています。
ニコンのデジタル一眼レフカメラは、頭文字に「D」がつくモデルが主流です。「D5」「D6」などの最上位モデル、「D850」、「D810」などの高画素機がメインのモデル、その他D700番台モデル、比較的安価なD600番台モデルなど、それぞれのユーザーのニーズに合ったモデルを発売し、トップメーカーとしての地位を築いています。