1945年、セリーヌ・ヴィピアナと夫のリチャードが自分達の子どものためにパリにオーダメイドの高級革製子供靴専門店を開きました。これがセリーヌ(Céline)のブランドストーリーの出発点です。
店名は、デザインを担当した妻の名から「CELINE」と名付けられました。パリの革職人の技術を活かして丁寧に製造された上質な靴は、たちまちパリの上流階級の間で人気に。子供が大きくなるとまた新たにセリーヌで靴を買うという、リピ―ターも増え続け、街中で大流行となりました。
軌道に乗ったセリーヌは1948年に3つの新店舗を出店。順調に業績を伸ばしていきます。セリーヌの革靴は、デザインが素晴らしいだけでなく、医学的観点からも計算され尽くされた安全性の高い靴でした。さらに、最高級の皮革を使って一流の革職人が作りあげるというこだわりがありました。これだけの靴作りを行っていると、当然のことながら子供達の親である婦人たちも注目するようになります。その要望に応えるように1959年には婦人靴にも進出し、成功を収めたのです。
靴で大成功を収めたセリーヌは、その後、女性向けの服、財布、バッグ、アクセサリーさらには香水などの全身をコーディネートできるトータルブランドへと踏み出し、プレタポルテコレクションを開始します。美しく気品に溢れ、落ち着いた女性らしさを追求したデザインはフランス上級階級の中でまたたく間に評判となり、世界中に多くのファンを獲得しました。今ではB.C.B.G(ベーセーベージェ=Bon Chic Bon Genre=フランス上流階級と品の良い暮らし)の代名詞的な存在となり、世界中の羨望を集めています。