世界でデジタルカメラのトップシェアを誇るCanon(キャノン)の歴史が始まったのは1933年。世界恐慌から景気がようやく回復してきた頃、キャノンの前身である精機高額研究所が東京に設立されました。ライカに匹敵する高級カメラを。世界的市場を見据えてのスタートでした。
創業翌年の1934年には、最初の試作品であり、かつ初めての国産となる35㎜カメラ「KWANON(カンノン)」が誕生。印象的なネーミングは、作り手の一人が観音信仰者であったことに由来しているということです。
多くのキャノン製カメラの中で特に人気を博したのがファミリー向けモデル「EOS Kissシリーズ」です。それまで一眼レフカメラは、コアなユーザー向けというのが一般的な見方でしたが、EOS Kissシリーズはコンパクトで軽量なため持ち運びもしやすく、ファミリー層や若い女性に受け入れられ、大ヒットとなりました。
1995年には、「見つめるだけでピントが合う」という視線入力AFが初導入された「EOS 55」が開発されました。EOS55は、優れた性能とコストパフォーマンスを武器に海を越え、世界中で大人気に。さらに2000年には後継機となる「EOS 7」が登場。その後もキャノンの技術革新は続き、現在までに一般向けの製品から、プロ仕様のハイエンドモデルまで多くのユーザーに向けた多彩な商品を発売、カメラ業界のトップの座を占めています。