バッグや財布をはじめ、帽子、ウェア、シューズ、アクセサリー、香水など幅広いラインナップを展開している世界的ブランド「バレンシアガ(BALENCIAGA)」。その創業は、 1900年代の初め。スペインにてオートクチュールの店を構えたのが始まりです。
創立者であるクリストバル・バレンシアガは、1895年に現在のスペインで生まれました。母親は裁縫師であり、かつ服飾などの仕立てや裁縫を商いとして営み、幼い頃からクリストバルは、その母親を見て育ちました。母親から洋服作りに関するさまざまな技術を学ぶとみるみる吸収し、12歳のときには洋裁見習いとして働き始めます。
クリストバルの服飾の仕立て技術は高く、そのため評判となり、地元の貴族出会ったカサ・トレス公爵夫人の目に止まります。公爵夫人は、彼の服飾職人としての技をさらに磨かせるため、マドリードの仕立て屋で修行を積ませ、年月を経るごとにその腕は確かなものとなりました。修行を終えたクリストバルは、スペインの都であるサン・セバスチャンにオートクチュールハウスを開店。1919年には初めてパリのオートクチュール・コレクションに参加します。その結果高い評価を得、スペイン王室御用達ブランドとなるなど、事業は急成長し遂げます。そして、2店舗目のオートクチュールハウスをマドリードに、3店舗目をバルセロナにオープンさせるに至りました。
スペイン王室に続き多くの貴族が顧客となるなど順風満帆のスタートでしたが、1936年に勃発したスペイン内戦の影響で閉店を余儀なくされます。その後、フランスに店舗を移し、それが今のバレンシアガの前身となります。1950年代に入ると次々と独自のデザインスタイルを考案、ファッション界に多大な功績を残しました。この時代を代表するデザイナーであったココ・シャネルやクリスチャン・ディオールから褒め称えられるほどだったバレンシアガ。モード界で初めてゆったりしたシルエットの服を作ったのは彼だと言われています。