シャンパンといえば、特別な日やお祝いの席で欠かせないスパークリングワインとして世界中で愛されています。
その中でも、「サロン(Salon)」はシャンパン愛好家や専門家の間で特に高い評価を受け、独特の存在感を放つブランドです。
この記事では、シャンパンのサロンについて、深堀りして詳しくご紹介します!

サロンの歴史

サロンは、フランスのシャンパーニュ地方、コート・デ・ブラン地区に位置するル・メニル・シュール・オジェ村で生まれました。
創設者であるウジェーヌ・エメ・サロン(Eugène Aimé Salon)氏は、20世紀初頭に自身の理想とするシャンパンを作り出すことを夢見て、1911年に最初のヴィンテージを生産しました。
彼の目標は、完璧なシャンパンを作ることでした。そのため、サロンは単一のブドウ品種、単一のクリュ(畑)、単一のヴィンテージのみで作られるという、極めて厳格な基準を採用しています。

サロンは当初、ウジェーヌ・エメ・サロン氏が個人的に楽しむために少量生産されていましたが、その品質の高さが評判を呼び、徐々に商業生産へと移行しました。
現在では、シャンパーニュ地方を代表するプレステージ・シャンパンとして、世界中の愛好家から高い支持を得ています。サロンは年間生産量が非常に少なく、ヴィンテージも限られているため、希少性もその魅力の一つです。

サロンの特徴

サロンのシャンパンは、いくつかのユニークな特徴を持っています。以下にその主なポイントをご紹介します。

1. 単一品種:シャルドネ100%

サロンは、シャンパーニュ地方で栽培される白ブドウ品種であるシャルドネのみを使用して作られています。このスタイルは「ブラン・ド・ブラン(Blanc de Blancs)」と呼ばれ、繊細でエレガントな味わいが特徴です。シャルドネは、フレッシュな酸味とミネラル感、柑橘類や白い花のようなアロマをもたらし、サロンの個性を形作っています。

2. 単一クリュ:ル・メニル・シュール・オジェ

サロンのブドウは、ル・メニル・シュール・オジェ村の厳選された畑からのみ収穫されます。この村は、コート・デ・ブラン地区でも特に優れたシャルドネの産地として知られ、チョーク質の土壌がブドウに独特のミネラル感と構造を与えます。このテロワール(土壌や気候などの自然環境)が、サロンのシャンパンに深みと複雑さを加えています。

3. ヴィンテージシャンパンのみ

サロンは、ノン・ヴィンテージ(複数の収穫年のワインをブレンドしたもの)を作らず、優れた収穫年のみで生産されます。気候条件が厳しく、ブドウの品質が基準に達しない年は生産を控えるため、ヴィンテージのリリースは不定期です。このこだわりが、サロンの品質の高さを保証しています。

4. 長期熟成

サロンのシャンパンは、瓶内で長期間熟成されます。通常、10年以上の熟成を経てリリースされることが多く、この過程で複雑な風味やクリーミーな泡、トーストやナッツのような熟成香が発展します。この長期熟成が、サロンを特別な存在にしています。

製造方法

サロンの製造プロセスは、伝統的なシャンパーニュ製法(メソッド・シャンプノワーズ)に則って行われます。以下にその主な工程をご紹介します。

  1. ブドウの収穫 ル・メニル・シュール・オジェの畑で、完熟したシャルドネを手摘みで丁寧に収穫します。品質を保つため、ブドウは慎重に選別されます。

  2. 一次発酵 収穫したブドウを圧搾し、果汁をステンレスタンクで発酵させます。この段階で、フレッシュな果実味と酸味が引き出されます。

  3. 瓶内二次発酵 一次発酵後のワインに酵母と糖を加え、瓶内で二次発酵を行います。この過程で炭酸ガスが発生し、シャンパン特有の細かい泡が生まれます。

  4. 長期熟成 瓶内で二次発酵が終わった後、酵母の澱(おり)と一緒に長期間熟成させます。この期間中に、シャンパンは複雑な風味や滑らかな質感を獲得します。

  5. デゴルジュマンと仕上げ 熟成後、澱を取り除くデゴルジュマンを行い、少量のドサージュ(糖分を含むリキュール)を加えて味わいを調整します。その後、コルクで栓をし、出荷の準備を整えます。

味わいと香り

サロンのシャンパンは、エレガントで洗練された味わいが特徴です。以下のような風味や香りが楽しめます。

  • 香り:レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、白い花、青リンゴに、熟成によるブリオッシュ、トースト、ヘーゼルナッツのニュアンスが加わります。

  • 味わい:生き生きとした酸味とミネラル感、クリーミーな泡が絶妙に調和し、長い余韻が感じられます。時間と共に、蜂蜜やバターのようなリッチな風味も現れます。

  • 構造:しっかりとした骨格があり、若いうちはフレッシュで活発、熟成が進むとより複雑で丸みを帯びた味わいに変化します。

サロンの楽しみ方

サロンはその希少性と高品質から、特別なシーンで楽しむのに最適です。以下に楽しみ方のポイントをご紹介します。

1. 適切な温度

サロンは、6~8℃程度で冷やして飲むのが理想的です。冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、冷蔵庫から出して少し温度を上げてから楽しむと良いでしょう。

2. グラスの選び方

細長いフルートグラスやチューリップ型のグラスがおすすめです。これにより、細かい泡と香りを最大限に楽しめます。

3. ペアリング

サロンは繊細な味わいなので、軽い前菜やシーフードと相性が抜群です。例えば、オイスター、ホタテのカルパッチョ、カニやエビの料理、白身魚のグリルなどがおすすめです。また、熟成が進んだものは、クリームソースのパスタやチーズともよく合います。

4. 特別なシーンで

サロンは高価で希少なシャンパンですので、結婚式、記念日、誕生日などの特別な日に開けるのが最適です。その一本一本が、特別な思い出をより一層印象深いものにしてくれます。

サロンの代表的なヴィンテージ

サロンは不定期にリリースされるため、すべてのヴィンテージを味わうのは難しいですが、以下は評価の高いヴィンテージの例です。

優れたヴィンテージの例

サロン ブラン・ド・ブラン 1996年:サロン史上最高と評されるヴィンテージの一つ。ワイン専門誌クラスマンで20点中19点、ワインアドヴォケイトで97点を獲得。1996年は冷涼な気候でブドウの酸度が高く、凝縮した果実味とパワフルな構造が特徴。繊細な泡立ちとミネラル感、ヘーゼルナッツやシトラスの風味が調和し、50年以上の熟成ポテンシャルを持つ。発売当初3万円程度だった価格は現在20万円近くまで高騰。

サロン ブラン・ド・ブラン 2002年:21世紀最初のヴィンテージで、日照量に恵まれた年。芳醇で力強いシャルドネから造られ、フレッシュなシトラスやハチミツの甘い香り、しっかりしたミネラル感が特徴。11年の瓶内熟成を経てリリースされ、飲み頃はまだ先だが、既に高い評価を受ける。比較的手頃な価格(9万円台~)で入手可能な点も魅力。

サロン ブラン・ド・ブラン 2007年:冷涼な春と温暖な夏がバランスを生み、鮮やかな酸味とフルーティーな香りが際立つ。パイナップルやライチ、軽いスモークのニュアンスを持ち、長期熟成のポテンシャルが高い。オーロラのような輝きと称されています。

サロン ブラン・ド・ブラン 2013年:サロン44番目のヴィンテージ。厳しい冬と遅い春を経て、10月に収穫されたブドウは高い酸度と程よい糖度を備える。10年の熟成を経て、ミネラル感、石灰質、バラのドライフラワーの香りが特徴。

サロンとデュラモットの関係

サロンは、同じグループに属する「デュラモット(Delamotte)」というシャンパンハウスと密接な関係があります。
デュラモットはサロンの姉妹ブランドとして、より手頃な価格でブラン・ド・ブランを提供しています。
サロンの基準に達しないブドウやヴィンテージは、デュラモットに使用されることがあり、両者は品質管理や哲学を共有しています。

まとめ

シャンパンのサロンは、シャルドネ100%、単一クリュ、ヴィンテージのみという厳格な基準で作られる、極めて特別なシャンパンです。
そのエレガントな味わい、長期熟成による複雑さ、希少性から、シャンパン愛好家の憧れの的となっています。
特別な日や大切な人との時間を彩る一本として、サロンは最高の選択肢の一つです!

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