世界的なウイスキーブーム！
今や世界のさまざまな所でウイスキー蒸留所が設立されています。
もちろん、ウイスキーの聖地でもあるスコットランドも例外ではありません。
数百年を超える歴史を持つ蒸留所がひしめきあう中で、新たな蒸留所を設立することは多くの挑戦があるでしょう。
今回はその中でも、特に評判が良い新興蒸留所を3つご紹介します。
すべて2010年代に創業の非常に若い蒸留所たちですが、すでに高い評価を獲得しています。
スコッチウイスキーの未来の担い手といっても過言ではないでしょう。
クライドサイド蒸留所（ストブクロス）CLYDESIDE
ローランド地方・グラスゴーに設立された蒸留所です。
設立は2017年と新しく、ファーストリリースである「ストブクロス」のみリリースされています。
蒸留所名はクライドサイド（CLYDESIDE）で、商品名はストブクロス（STOBCROSS）になっています。
これは蒸留所付近にある交差点の名前が由来とのこと。
クライドサイド蒸留所はオーナーの曾祖父であるジョンモリソン氏が大型貨物船のドッグを建設した地に設立されています。
原料となる大麦はすべてローランド地方の契約農家から強いれており、高い品質のスピリッツを生み出しています。
ローランド地方では3回蒸留を用いているものが多い中で、ストブクロスは2回蒸留を採用しています。
また生産工程の大部分が手作業で行われており、新興蒸留所ながらクラシカルで伝統的な工程を経て生産されています。
ストブクロスは90％がファーストフィルバーボン樽、残りはシェリー樽を使用しています。
ノートは洋ナシ、青りんご、ローズハニー、バニラ。フルーツのボディにソフトなビターのフィニッシュ
典型的なローランドモルトのようですが、高い評価を得ています。
売り切れが続き、セカンドリリースにも期待ができます。
リンドーズ・アビー蒸留所 LINDORES
なんといってもスコッチウイスキーのはじまりの地と言える「リンドーズ修道院」の跡地に設立されたことで話題になりました。
スコットランド王ジェームズ4世が大麦麦芽を使った蒸留所の製造を命じたのがこのリンドーズ修道院でした。穀物を使用する蒸留酒で登場する最も古い文献と言われています。
時はなんと1494年！
ウイスキーの歴史の中でも大きな意味を持つこの地に、2017年 リンドーズ蒸留所が建設・稼働しました。
2022年にファーストリリース、「リンドーズ シングルモルト MCDXCIV 1494」を発売しました。
大麦はすべてファイフ州産のものを使用しており、2019年からは隣接する農場から大麦を調達しています。
またウイスキー業界に大きな貢献と影響力をもたらしたジム・スワン博士が開発したSTR原酒をブレンドしています。
STR樽とは「シェービング、トースティング、リチャーリング」の頭文字で、再活性化させた赤ワイン樽のことを指しています。STRを使用することによって熟成が加速するといわれ、近年では注目のまったく新しいタイプの樽熟成のシステムです。
・インターナショナル ワイン & スピリッツ コンペティション2022 98点
・サンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション2022 ダブルゴールド受賞
などの受賞歴があり、まだ若い蒸留所でありながらその評価を確かなものとしています。
アイル オブ ラッセイ蒸留所
ISLE OF RAASAY
スコットランド西海岸・ヘブリディーズ諸島のひとるラッセイ島にある蒸留所からのウイスキーです。2014年に設立された非常に若い蒸留所です。
スコットランドの起業家ビル・ドビー氏と植物学者でもあるアラスデア・デイ氏がタッグを組んで蒸留所を創業しました。
注目すべきはそのユニークな樽熟成かもしれません。
ライウイスキー樽、ボルドー赤ワイン樽、チンカピンオーク樽の3種類をそれぞれピーテッドのノンピーテッドで仕込み、計6種類の原酒をブレンドしています。
それにより若い年数であっても複雑で奥行きのある香りをうみだしています。
リリースされたものはまた3年熟成～のものですが、高い完成度を持っています。
アイランズらしい潮の香りがリッチに香るウイスキーファンにはたまらないボトルといえるでしょう。
現在非常に注目されている蒸留所の一つで、発売されると即完売になります。
これから期待の蒸留所の1つです。
まとめ
近年では比較的存在感を薄めていたローランドモルトから2つの蒸留所をご紹介させていただきました。
時代はローランド！？
新しい蒸留所がたくさんできていますが、まずバッグボーンやウイスキー哲学が明確なディスティラーが注目される傾向にあると感じます。
そしてもちろん、高い品質。
SNSなどによってクチコミのスピードは以前より爆発的に加速しており、人気の蒸留所はリリース後、すぐに売り切れになってしまいます。
どの蒸留所もファーストリリースの評価が素晴らしく、これからのスコッチウイスキーの未来に期待ですね！
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