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今回はカリフォルニアワインのお話です。

ワインの生産地と聞いてどこを思い浮かべられるでしょうか。

やはり印象に強いものはフランスではないでしょうか。

いまでこそアメリカのワインも高く評価されており、多くのワインが愛されていますが、
かつてはアメリカワインは安価なものがおおく、テーブルワインとして親しまれるに留まり、
ましてや高級なアメリカワインが受け入れられる土壌はありませんでした。

本日はアメリカ・カリフォルニアのワイン生産における革命的な存在、オーパスワンについてのお話です🐵

「挑戦」とされる理由

1980年、ひとつのベンチャーワイナリーが立ち上がりました。

そのワイナリーが掲げた目標は
「高級なフランスワインに肩を並べるワインをカリフォルニアの地から送り出す」というものでした。

カリフォルニアでのワイン作りは当時から盛んでしたが、
テーブルワインが主で、ワイン愛好家の舌を喜ばせるようなワインは作られていなかったのが現実です。

ボルドーやブルゴーニュを好むワインラバーにとってアメリカのワインなど眼中になかったといっても過言ではないでしょう。

そのような背景から、高級なアメリカワインの製作は無謀に思えたに違いありません。

しかし同時に単なる夢を語るだけの無謀とは言い切れなかったのは、
提唱者の二人の存在感によるものでしょう。

オーパスワンのラベルには2人と肖像が描かれています。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド氏とロバート・モンダヴィ氏です。

この2人の背景を知ると、当時のベンチャーウイスキー発足の際の期待感が強まります。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド

フランス・ボルドーの5大シャトー「シャトームートン・ロスチャイルド」を支えた人物です。

シャトームートンは1855年から長きにわたるメドック格付けを覆したシャトーとして知られています。

1855年、パリ万博では5階級による格付けが行われました。

当時シャトームートンは既に高い評価を得ており、多くの人が最上級の第1級シャトーになるだろうと疑いませんでした。

しかし結果は2級でした。

その時のシャトームートンのワイン製作に携わる人たちが落胆したことは想像に易いです。

しかしシャトームートンが抱くワイン造りへの情熱がさめることはありませんでした。

徹底した管理、洗練されていく技術によって、
シャトームートンが作り出すワインはより一層すばらしいものになっていきました。

そして1973年、シャトー見直しという異例の事態によって、2級から第1級へと地位を挙げたのです。

160年以上にわたって変えられることのなかった格付けがはじめて動いた瞬間です。

まさにこれは不可能を可能にした出来事でした。

そしてその躍進を支えた人物こそがバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドだったのです。

奇跡ともいえる革命を起こしたフィリップ男爵は次なる挑戦を求めてアメリカを旅しました。

ロバートモンダヴィ

カリフォルニアの大規模なワイナリーで働いていたロバートモンダヴィは1965年に独立し

「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」をオークヴィルに創業しました。

1970年代に、アメリカを旅していたフィリップ男爵と出会い二人は熱いワインへの熱意からすぐに意気投合しました。

やがて二人は手を組み、1978年「オーパス・ワン・ワイナリー」を設立することになります。

当時のワイン業界にとっては非常に大きなニュースになりました。

伝統的なボルドーを長きにわたって支えてきた人物とアメリカのベンチャーワイナリーが手を組んだのです。

ナパヴァレー/カリフォルニア

現在においてナパバレーのワインはひとつのブランドになっています。

カリフォルニアナパバレーで作られるワインは高い評価を得ており、
フランスの5大シャトーに及ぶ金額の物も珍しくなくなってきました。

カリフォルニアの気候は地中海性気候に近く、乾燥して日照もおおく、
そして昼夜の寒暖差もワイン造りにおいて適したものです。

また年による変動の差が比較的少なく、その結果安定したワインの生産を可能にしました。

オーパスワンはカルベネソーヴィニヨンを主にカルベネフラン、メルロー、プティヴェルド、マルベッグによって構成されています。

すべてが手摘みによる収穫など徹底された製法により、高い品質を維持しています。

一方で実験的な製作にも取り組んでおり、ワイン造りへの探求心と情熱は発足当時から受け継がれています。

設立当時、ワイン愛好家からこのベンチャーワイナリーは不安と期待が入り混じる挑戦だったことは間違いありません。

しかしオーパスワンを口にした人であればこの挑戦の偉大さがわかることでしょう。

多くの人の期待を更に超えて、スペシャルなワイナリーとなったのです。

「高級なフランスワインに肩を並べるワインをカリフォルニアの地から送り出す」

このフィリップ男爵の夢が確かに現実となりました。

まとめ

現在、ナパヴァレーのワインは高品質なものが多く、価格もフランスワインに及ぶものも多くなりました。

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